入野漁港は4㎞の砂浜が続く自然公園のすぐそばにあります。
沖合にはニタリクジラやイルカが暮らしています。
春から秋は、漁船でホエールウォッチングが人気です。
仕掛けには、高級魚である赤むつ(のどぐろ)の、何倍もの数の深海ざめが掛かります。
漁業歴34年の松田さんは、獲った魚にキズ一つ付けないで水揚げすることなどお手の物。
朝2時ごろ出漁し、午後2時ごろ港に戻ると、市場場内ですぐに捌きます。
棘や内臓は丁寧に取り除き、各部位を真水で十分に洗浄します。
最高の鮮度を保ったままペットフードに加工しています。
干すのは奥さんの美和さんが担当。 |
今回は、我々と高知県黒潮町のアカムツ漁師の松田さんがサメを使ったペットフードの製作に乗り出した経緯と思いについて、お話ししたいと思います。 |
黒潮町の沖合で行われているアカムツ(地方名:のどぐろ)漁は、深海延縄釣と呼ばれる漁法で、水深150m~300mの深海に漁具を沈めてアカムツを釣り上げます。近年では、このアカムツの漁獲量が落ち込んできており、1度の漁で1匹しか釣れないこともあるなど、漁業経営が厳しくなっています。
一方でこのアカムツ漁では、毎回多くの小型のサメが混獲され、潮流や漁場によっては1度の漁で数百匹のサメが獲れることもあります。
この大量に漁獲できるサメが売れれば、アカムツ漁師さんの収入にもなるのですが、これらのサメは現状ではほとんど需要がなく、市場に水揚げしても全く値が付きません。そのためアカムツ漁師さんは、大量に漁獲したサメを海上で放流するしかありませんでした。
そこで、我々はドッグズライフさんと協力し、大量に漁獲できるサメをどうにか有効に活用できないか、そして、少しでもサメに価値を見いだせないか考えることにしました。
そして、試作を重ねて完成したのが、このペットフード「ツノざめの素干し」です。1本1本丁寧に釣ったサメをその日に捌いて、天日で十分に乾燥させることで、サメ独特の匂いを消し、私も炙って食べたいくらい、魅力的で美味しそうなペットフードに仕上がっています。
私としては、この取り組みにより、今まで市場で見向きもされなかったサメが全国の愛犬家の皆様にペットフードとして注目され、厳しい状況におかれているアカムツ漁師の漁業経営の一翼を担えるような、重要で価値のある水産種になることを願っております。
土佐清水漁業指導所 秋永
価格:616円(本体 560円)
[ポイント還元 6ポイント~]
総評: 5.0